「宇宙視点」シリーズ

View from The Universe

ある時、川沿いを歩いていると、
風が頬をつたい、足もとに落ち葉がまとわりつく。
風はどこからきたのだろう?
ふと、地球の自転のビジョンが浮かんだ。

地球の自転は、赤道付近では時速約1700km、日本付近では時速約1350kmというスピードで回転しています。

でも、普段私たちは、地球が物凄いスピードで動いていることを認識していなません。

「宇宙視点」シリーズは、宇宙からの視点を通して、実は物凄いスピードで動いでいる、私たちの日常の景色を作品にすることで、これまで見えていない現実の景色を提示します。

「宇宙視点」シリーズを制作している際に、私自身いくつもの気づきがありました。

ビジョンが浮かんだ風について調べて見ると、風は、温度差で生じる気圧の変化で起きる空気の移動で、かつ地球の自転も影響を与えるようです。
その地球の自転は、宇宙に漂っていた塵が回転することで地球が生まれてきて、その回転が続いているようです。
回転は太陽系が誕生した際の運動の残像。
大きく見れば、風は、太陽系の回転から発生していると言えるのかも。

別の気づきとしては、
もし「霊」が存在するとしたら、こんなスピードの中で存在できるのだから、「霊」とは、人と同じく重力の影響を受ける存在ではないだろうか?
もしかすると、「霊」は土地や人に結びついている存在なのかもしれない。
もしくは、人の脳(記憶)の中にある存在なのかもしれない。

石炭や石油を燃やしたり、パネルで地面を覆ったり、核を融合させたり、分裂させたりしなくても、地球のこれだけのスピードで動いている自転の力を利用して、ほぼ永久的な大きなエネルギーを生み出せるのではないだろうか?

私の気づきの一例ですが、「宇宙視点」シリーズが、誰かの何らかの気づきとなれば。

また、「宇宙視点」シリーズを制作する元となった考察で、地球において、人類の発展を牽引してきた国は、ギリシャからローマ、ヨーロッパの混沌、大航海時代を経て、イギリスからアメリカ、そして中国へと、東から西へと流れているように見えます。
この約3000年の時を経て、人類は繋がり、「地球市民」として認識しつつあります。

今後、100年後なのか、1000年後なのか、10000年後なのか、人類は宇宙へ飛び立つのかもしれません。
「宇宙市民」の始まりを予見する表現として、宇宙からの視点により、人類のアートや哲学の発展に挑戦します。

追記として、
この作品を制作してから、日常の景色を眺めていると、もちろん幻想なのですが、グワッと地球の自転を感じることがあります。
そこから、地球を愛しく感じ、地球も宇宙における生命体なんだという思いが込み上げてきます。
もしかすると、この作品を見ることによって、日常の景色の見え方、感じ方が、これまでと少しだけ変わるかもしれません。

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