「Ms.Portrait」シリーズ

この「Ms.Portrait」シリーズは、1995年に制作した作品。

その時のステートメント
「西洋的価値観を、西洋の美の象徴であるビーナスに置き換え、
日本を含めた東洋的価値観が、
西洋的価値観と融合するのか、染まっていくのか、拒絶するのか、
を問題提起している。
西洋と東洋の間で揺れるアイデンティティ。」

1995年は戦後50年の節目の年。
日本の西洋化は明治維新から始まりました。明治維新から約70年で第二次世界大戦に至り、戦後50年を経て、生活様式はほぼ西洋化となりました。
当時の中国はまだ現在のような経済大国ではなく、経済成長が始まった頃で、一部の国を除くアジア全体が発展途上。
それから30年経った2025年、戦後80年となり、第二次大戦を実際に経験された方が少なくなる中、様々な大きな変化を通して、世界は先行きの分からない状況に入っており、特にアジアはその渦中にいるようです。

今、「Ms.Portrait」シリーズを見直すことに、意味があると感じ、今回の展示として、2点セレクトしてリメイクしました。

「Ms.Portrait」シリーズは、西洋の美の象徴であるビーナスに、アジア(日本)の女性を重ね、その融合具合を表現しています。
「Ms.Portrait」シリーズは、1995年から1996年にかけて世界巡回展でブラジル、ベトナム、香港で展示されましたが、ベトナム展の際に多くの問い合わせをいただきました。
もしかするとベトナムの方々は、時代感性的に何かを感じたのかもしれません。

今の時代において、あらためて西洋的価値観と東洋的価値観に対して問いかけます。

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